ギドン・クレーメルからメッセージが届きました
《ギドン・クレーメル トリオ・コンサート》

 

1975年来、というと35年になりますが、日本に来るようになり、その自然と文化と聴衆とわが友人たちとに親愛の想いを寄せてきました。ひとえに全てを愛してきました。

友情は、私にとって最もかけがえのないものの一つです。もし友人が困っていれば、こちらはとにかく支えたいと、手を貸そうと、力になりたいと思うのです。

ヴァレリーさんとギードレさんと私の三人が、この厳しい時にこの地に来たいと欲するのは、日本、そして近しい友人も昔からの変わらぬ聴衆の方々も含めた日本の人々について、私たちが知っているたくさんの素晴らしいことがあるからです。

音楽は計り知れないエネルギーの源です。その力は世紀を超えて及びます。 バッハ、ショスタコーヴィッチ、ブラームスといった偉大な作曲家たちについて考える時、私たちは永遠の価値とつながり、極度の混乱状態の中でも私たちを生存へとつないでくれる何か、私たちはこの世で一人ではなく、ハーモニー(調和)は今もこの世界に存在していたと教えてくれる何かに、たどり着くことができます。

バッハを聴けば、私たちは決して一人ではなく、いつも話しかけられる誰かがいます。 ショスタコーヴィッチと歩めば、苦難は高い精神性と内なる強さで克服できるとわかります。

古典のみならず現代作曲家たちもまた、私たちが、たとえ命は短くとも、物質的政治的思考に囚われず、また地理的時間的境界に縛られず、“ひとつ”の世界に生きていることの鑑となってくれています。

美と情動は、テレビやインターネットよりも強く私たちを結び付けます。 私たちの耳と目が“互い”を見聞きできますように。 音の中に美しく表されたエネルギーの流れが、私たちに届きますように。 それによって私たちが、生きていると感じられるよう、互いに息し理解しあえるよう。

私たちはこの地であなたがたと音を分かち合い、癒しを必要とされるお苦しみの方々すべてに私たちの敬意と思いを表したいのです。

 

ギドン・クレーメル


《公演詳細》